日本のSTEM教育の取り組み事例(小学生)
2020年度からの新学習指導要領により、プログラミング教育が必修化されたことで、単なる知識の習得にとどまらない「教科横断的な学び」が加速しています。
1.音楽と算数の融合:プログラミングによる作曲
文部科学省のSTEAM教育推進の一環として、「Music Blocks」などの教材を活用した事例が増えています。
これは、プログラミング(Technology)を使って、音楽(Arts)と算数(Mathematics)を同時に学ぶ試みです。
児童は「3拍子」「4拍子」といった算数的なリズムの構造を理解し、ブロック型のコードを組み合わせて音を鳴らします。
「なぜこの音の組み合わせが心地よいのか」を、周波数や倍数といった数学的視点と、感性の両面から探究することで、論理的思考力と創造性を同時に育んでいます。
2.環境問題解決型:IoTを活用したスマート農業・観察
理科(Science)の「植物の成長」や社会科の「食料生産」の授業に、センサー技術(Technology/Engineering)を導入する事例です。
例えば、教室で育てる野菜のプランターに土壌湿度センサーを設置し、水分量をデータ化します。
児童はタブレットでリアルタイムの数値を確認し、「どのタイミングで水やりをすべきか」をデータに基づいて予測・判断します。
単なる観察日記ではなく、エンジニアリングの視点を持って課題解決に取り組むことで、実社会に即したテクノロジーの活用術を学んでいます。
3.ものづくり×SDGs:持続可能な製品デザイン
産学連携による取り組みで、企業のエンジニアが講師となり、製品の設計(Engineering)から流通(Mathematics)までを擬似体験するプロジェクトです。
具体的には、身近な材料を使って「環境に優しい次世代の車」や「災害時に役立つ道具」を設計・製作します。
空気抵抗の実験(Science)を行い、改良(Kaizen)を重ねるプロセスを重視します。
最後に「コスト(算数)」と「持続可能性(環境)」のバランスを考えたプレゼンテーションを行うことで、科学技術が社会にどう貢献できるのかを多角的に捉える力を養っています。